サカナトビート 寿司職人の休日

旬の食材が知りたいし休日も舌鼓を打ち鳴らしたい

ショウサイフグでもフグはふぐ!ふぐ唐揚げと絶品フグ雑炊 おうちでも美味しく創れましたよ~

2022.05.04㈬世の中GW真最中。私の休みは変わらず水曜木曜。3年ぶりの行動制限無しのGWということで各地混雑が激しいようで、私の勤める港区界隈もそこに向かう通勤電車内も連休を満喫している人々の熱気、とまではいきませんがコロナ以前を彷彿させる光景が見られます。元気過ぎる子供連れのファミリーや、二人の世界に入りイチャイチャし過ぎカップル、自らの意思で外出してるのに混み過ぎている事にイライラしている高齢者や、どんな状況でもテンションが高いバカ過ぎる田舎の男子中高生等、カオスです。GWはかくあるべきウクライナ情勢、物価高騰や異常な円安など世情には良いニュースばかりではありませんが、今日明日を全力で楽しむことはそのまま人生の楽しみ。それはそれで謳歌することは間違いではない。それどころか一番最優先に考えるべき事なのかもしれない。というわけで今日も私は家族の晩餐と自らの晩酌のために良いものを市場で仕入れて美味しい物を全力で創るのであります。

ムキ正才フグ、と書いてあるんだと思います

2022.04.28㈭行ってきました東京豊洲。この日はGW直前の開市とあって若干のピリピリムード。価格のリサーチはこの日はいいでしょう。みんな高いし品数もすくない。業者も休みに入るから余計な在庫を抱えたくない。GW中の売り物は4~5日前位に前注文の締め切りを設けて当日は最低限の物しか店頭に並ばないのです。目新しい物に出会えたらラッキー位の感覚です。

穂付きのヤングコーンゴールドラッシュ初夏を感じさせる品物がチラホラ。GW明けから自分の勤め先でも初夏メニューにシフトしていこうか~なんて話してます。

この日に購入したのは最初にも写真をのせたショウサイフグの剥き身のパックと、これも剥きの数の子です。

市場用語でしょうか、「ムキ」は。仕入れ用語か。あとに付ける対象の物によって若干意味が違ってくるかな。前述フグに付けば「頭、内臓が除去され皮も剥いてある」状態。一番高価なトラフグの場合は「ムキ」の表記は使わず同じ状態で売っているものは「身欠き(ミガキ)」と表される。数の子に付けば単純に皮が剝いてある状態。赤貝やツブ貝、牡蠣等貝類にも使われ、その場合は殻から外した状態の物。サカナ系でムキの表記はフグだけかな。サカナ系は「ドレス」とかセミドレス」とか使ったりしますがフグだけはムキ表記がありますね。なんでだろ?毒があるとか特殊だからかなぁ。

1㌔の真空パックで8匹分の剥き身が入って1800円なり。私の認識の中では大きいサイズのショウサイフグです。1匹225円。刺身では出せない、加熱用のフグですがお買い得な方ではなかろうか。

一応フグ免許も持っています

チビ二人のリクエストで「フグから揚げ」にします。釣り好きな叔父さんの釣果でフグをもらった時の味が忘れられないんだと。生意気な

扱い的には鶏肉と似てるトコがあります。酒、醤油、おろし生姜の漬け汁に20~30分漬けてから取り出してよく水気を取り、粉(小麦粉or片栗粉)をまぶして中弱火でよく揚げる。

先日購入した白醤油料理酒同量。フグの白さを活かしたいと思って色が付かない漬け地をーと思ったけど揚げ上がりにはどうしても茶色くなります…

少し火が強すぎましたか…。ドンマイ自分、苦くはなかったぞ!

フグ料理の美味しいランキング、1位と2位はから揚げ雑炊です。私の中だけですが。自分で作った「てっさ」「てっちり」も他の魚の「刺身」「鍋」の方が美味しいんだもん。というわけで卸した後のアラで出汁をとって雑炊だけ作ります。

八匹分は中々のアラの量

4人分だけの雑炊のための出汁だと思うとコレは贅沢な使い方だな

  • アラに薄く塩をまぶして15分おく
  • よく塩を洗い流し、水、酒少々、昆布と共に火にかけ沸騰してきたら火を弱めてアクをよくすくい、10~20分煮だす。

良い出汁出た~。👆アクはちゃんとすくいましたよ!

  • 炊きあがっている白米(もしくは事前に炊いて冷めているご飯でも可)を一度水でサッと洗いザル上げしておく。コメのまわりのでんぷんを洗い流す。
  • 出汁に洗ったご飯を入れ火にかけ、醤油、塩、みりんで味をつけ沸騰してきたら溶き卵を流し入れ火を止め蓋をして1~2分おく。

仕上げに万能ねぎをバッとちらして、アツアツをどうぞ~

てっちりの後だとある程度お腹いっぱいだけど、今回はおかずとダイレクト雑炊なので美味しさもひとしおです。私はオツマミとしてもいただきました、贅沢~。

続いて松前漬を仕込みます。購入したのはコチラ。

「川島の松前漬築地場外市場にて元気に営業中の北島商店で売っています。北島商店さんは本当の意味での業務スーパーです。広くはない店内には一般家庭では使わないマニアックな調味料や冷凍食材、乾物や真空された食材等が所狭しと並んでいます。築地場外では今でも数多くの乾物屋さんが営業していて松前漬けの素も色んなメーカーの物があると思いますが、この川島の~はスルメと昆布の質が良いように思っています。そんなに食べ比べた訳じゃないけど、北島商店に並んでいる、というだけで信頼の基準にはなります!

松前漬けの作り方

  • 皮つきの物ならば薄皮を剥く
  • 塩抜きをする 店舗だと水道を流しっぱなしにして短時間で塩抜きしたりしますが、家庭では出来ません!塩抜きの基本的な方法は2つ1つ目は普通に飲めるくらいの塩水に1時間~つけ始めて徐々に塩分濃度を薄くして塩自体の浸透圧の作用で塩を抜いていく方法。2つ目コメの研ぎ汁に3~4時間漬けて塩を抜く方法。2つ目のコメの研ぎ汁を使う方法も実は同じ浸透圧による作用ですが、とぎ汁を使った場合は塩が抜けてから流水にさらす必要が生じます。研ぎ汁のヌカ臭さを抜くためです。この方法はほぼ完全に塩が抜け、全く味のない食感だけの数の子になるので出汁に漬ける場合などは少し塩を戻したりもしますね。いやはや、店舗だと普通にやっていることが文字に表すとこんなにも回りくどいのか…。
  • スルメと昆布をたっぷりの水でザっと洗いザル上げしておく
  • 酒、みりんを同量合わせた物を火にかけアルコール分を飛ばし冷ます
  • 冷ました酒みりんに醤油、砂糖、酢等を足してお好みの漬け地をつくる
  • 水気が切れたスルメ、昆布、塩が抜けた数の子を漬け地に漬ける
  • 1晩以上漬ける

松前漬食べ放題!厚めのビニール袋かジッパー付きの袋で空気を抜きながら揉み込んでゆくと少ない地でもよく漬かりますよ~。

ショウサイフグは美味かったし、松前漬けで次週のツマミも一品出来たー!

今週も充実のお休みでしたね~。

皆様にも幸が訪れますように~~~